中高齢者の再教育

 昔は年寄りが「最近の若者はなっとらん」と言っていたが、最近では、逆に若者が「最近の年寄りはなっとらん」と言う時代になったのではないかと思う。私も山や電車の中での年寄りの傍若無人ぶりを見てかなり苦言を呈して来た。

 電車の座席で股を大っぴらに広げて2人分の座席を占有する年寄り。やっと座れたのだから、一人でも多く座れるように気を遣うかと思っていたら、人の事はお構いなし。山頂では人が据わっている椅子に土足でドカドカと上がってくる年寄り。人が横に据わっているのにまともな神経持ってたらそんなこと出来ないだろう。団体登山では、山頂をまるで自分達の土地のように振舞う年寄りども。礼儀も何も無い。

 2005年年末、買い物に行った車の中でNHKラジオを聴いていたら三輪明宏がやはり中高齢者に再教育が必要だと言う話をしていた。やはり現在の60歳以上の人間は戦後の大混乱で価値観の転換があり、人間にとって重要な生きる基準が身についていないのであろうと思う。今、生きる基準と言ったが、自分でも充分考察して言っている訳ではない。人が生きていくうえで最も重要なもの。それが何か、自分でも認識している訳ではないが、何かが現在の中高年に欠けているのは確かであると思う。

 子供を近くの公園に連れて行ったら、自分達のゲートボール場の確保に努める年寄り。とにかく自分達の事だけ考える年寄り。

 通学中の子供が犠牲になる事件が相次いでいる。対策は親が責任を持って子供の通学の責任を持つ方向で一部動いているようであるが、何で世の年寄りどもが通学路の安全の確保とかに立ち上がれないの? 今、日本もグローバルスタンダードとかの影響で米国の後追いをして労働者の実質賃金は低下の方向。共働きしなければ、子供の教育費も稼げない一般労働者家庭の人間は自分の子供をどうやって送り迎えしたら良いの? 貧乏人は、安全も買えないんだよ。金がないから軽自動車しか乗れずに事故ッたら死ぬ危険性は高いし、今回のような状況になっても子供の送り迎えも出来ない。だって、送り迎えできるのは、男の稼ぎが良くて妻を専業主婦にしておけるくらい稼いでる人間か、2世帯同居家族くらいだろう。

 だから言うんだ。暇な年寄りが、何でこんな時に立ち上がらないんだと。しかし、それは無理だと分っている。そんな時間があったら、あんた達はゲートボールをしたり、山に登ったり、自分達の為に使う金と時間はあっても、人のため、社会の為に使う時間は無いのであろう。

 三輪明宏も言うようにやっぱりあんた達には再教育が必要だと思うよ。

(2006年1月2日記)

TOPページに戻る